シンプルだけど情熱な国、 僕は、 そんなキューバに魅せられてしまった。(2012.12.9)

キューバという国に魅了されたアーティスト4人による「映像+音+ことば」で、それぞれのキューバを表現

米ミュージシャンのライ・クーダーとキューバの老ミュージシャンの演奏を収録したLIVEシーンと、キューバの光景を織り交ぜた、ヴィム・ベンダースのドキュメンタリー映画「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」が1999年に公開され世界的なヒットとなった。

この映画をきっかけに、「キューバ」が、かつてないほど日本人の関心をあつめた。

不思議の国「キューバ」は世界中の芸術家や文学者、音楽家を魅了し続け、キューバを愛したノーベル文学賞作家アーネスト・ヘミングウェイは「愛した太陽と海、陽気と哀愁、活気と静寂が交差する島」と言い、1996年、ハバナでのファッションショーを開催したコシノジュンコは「サルサの音楽があれば皆一緒、年齢に関係なく誰もが自然に踊りだす。音楽があるから、あそこでは人間が心から笑うんです」と語る。

キューバに恋したアーティストは何度もキューバに足を運び、そして自分の中にある世界を「キューバ」というフィルターを通して表現していく。

革命から50年が過ぎたキューバ、社会主義国家として様々な問題点を孕みながらも農業や医療の分野で、世界中から注目を浴びる独特な成長を続けている。

キューバ音楽と、アフリカ的で宗教的なダンスがキューバの歴史を語り。 キューバに魅了された4人のアーティストが映像を通してキューバの今日を語りだす。 アメリカのキューバ人、アフリカのキューバ人、キューバのキューバ人、混交のキューバ。

「キューバ」は未だ幻の「国家」なのかも知れない。アートや音楽の生みだすリアリティの中には、既に潜在的に存在しているキューバ。「キューバ」がもつ真実の魅力を少しでも伝えられたらと切に思う。

〈音・映像〉高橋慎一 ( フォトグラファー / ライター )

雑誌・書籍・CDジャケット等でフォトグラファーとして活動中。またライターとして、ジャズ・ワールドミュージック等の音楽分野から、旅行記、人物ルポまで、幅広く執筆活動を展開している 。2001年7月にキューバ音楽のオリジナル音源を制作するレーベル“カミータ・レーベル”を設立。キューバを代表する音楽家たちによるセッションバンド”ハバナ・ジャム・セッション”をプロデュース。2006年度、キューバ音楽界のグラミー賞『 CUBADISCO2006』のベスト・ジャズ部門に選出される(300タイトルのノミネート作からベスト4に進出)。類い稀な才能を持ちながら、諸々の国の事情で楽器も満足に無い状況でも情熱的に音楽に向かう彼らと交流する中で、強く彼らの事を伝えたいと思う。しかし写真やCD文章では伝えきれないと感じ、キューバ音楽ドキュメンタリー映画の製作に踏み切った。

〈ダンス〉 saeko ( ダンサー / 振付師 )

東京生まれ、阿波踊り出身。JazzやReggae,Houseなど様々な 場所へ旅をして、最近アフロキューバンダンス&ミュージック にてテントをはっている。毎晩音楽と討論し、毎日ダンスに励まされ、セシウムと、プルトニウムに立ち向かえる強靭な身体を目指している。

〈音・映像〉柵木志 ( 映像監督 )

1969年生まれ、愛知県西尾市出身、在住。アメリカ・南イリノイ州立大学卒。同大学では映画を専攻。卒業後はテレビの世界へ。名古屋のテレビ局で演出を10年以上経験。制作本数は数百本。2006年に退職、2007年に株式会社モーション・ビジュアル・ジャパンを設立。同年、メーテレで放送されたドキュメンタリー番組「あの空まで~親父バンド、キューバへ~」が「全映協 グランプリ2007テレビ番組部門最優秀賞受賞。現在は地域貢 献映像制作事業にも取り組む。2012年アレイダ・ゲバラ名古屋 講演に密着し「un día con Aleida un documental de ALEIDA GUEVARA」を制作、上映。

〈音〉岩月香央梨 ( パーカッショニスト )

名古屋芸術大学入学と同時にラテンパーカッションに出会い、ラテン音楽にのめり込み、美座良彦氏に師事。現在はB-Style( ラテンビッグバンド)やSon GIESIKA(キューバ音楽)を中心にジャンルを問わず様々なバンドで活躍中。